アメリカでハタラク人にインタビュー!第14回【フィギュアスケートコーチ 島田美樹さん】

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ハタラク人にインタビュー!

アメリカでは、日本からの駐在員として勤務している人やアメリカ現地で採用された人など数多くの日本人が活躍しています。このコーナーでは、アメリカで活躍中の方々に“ハタラク”楽しさや難しさなどをインタビューしご紹介しています。今回はフィギュアスケートコーチの島田美樹さんにお話を伺いました。

 

 

ニューヨークでハタラク、フィギュアスケートコーチ 

島田美樹さん

 

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Figure Skating Instructor

Miki Shimada

https://sites.google.com/site/iceskatingwithmiki/

 

 

仕事は充実感があれば、さらにもっとがんばれるものだと思います。

 

 


島田さんのお仕事について教えてください。

 

ミッドタウンのブライアントパークにあるスケートリンクの専属コーチとして、一般の方にフィギュアスケートを指導させていただいています。このスケートリンクは、毎日朝8時から夜10時まであいていて、スケート靴をお持ちであれば無料でどなたでもアイススケートを楽しんでいただくことができます。私は朝8時から夕方4時くらいまで、個人レッスンやグループレッスンでスケートをお教えしています。対象は小さなお子さんから年配の方まで幅広く、英語または日本語で指導させていただいています。

 

 

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レッスンの予約はブライアントパークに私の名前とともにお申し込みいただくか、直接私あてお電話またはE-mailでご連絡いただく方法となります。スケートリンクは8時からあいていますので、出勤前にレッスンを受けていらっしゃる方もいらっしゃいます。朝は人も少ないですし、とても気持ちよく滑れるのでお勧めです。

 

また、オフシーズンにはゲストコーチとしてフィギュアスケートを他のリンクでお教えしています。オフシーズンにも練習を続けていると、次のシーズンに大きな差が出てくるので、熱心な方は一年中レッスンを継続していらっしゃいます。アイススケートは冬だけのスポーツと思っていらっしゃる方も多いのですが、一年中楽しめるスポーツです。

 

 


これまでずっとフィギュアスケートのお仕事をされてこられたでしょうか?

 

実はスケートを本格的にはじめたのはアメリカに来てからです。日本では学習塾の講師として働いていました。大学時代にパートとして教えていて、卒業後そのまま就職しました。高校生には英語、現国、古文、漢文を。小学生、中学生には、ほぼ全教科を教えていました。学習塾の仕事はやりがいもありましたし、とても好きだったのですが、次のステップに挑戦してみたいと思い渡米しました。そして、ボストン経由でニューヨークに来て、語学学校で日本語教師として日本語を教える仕事に就きました。この日本語教師の仕事は今でも続けています。

 

 


フィギュアスケートとの出会いは?

 

日本語教師として働いている時に、アイススケートを趣味ではじめたんですね。最初はチェルシーにあるスケートリンクでレッスンを受けていましたが、当時のコーチが辞めたことや、自分がもっと上を目指していたため、ニュージャージーにあるアイスハウスというスケートリンクでレッスンを受けるようになりました。このスケートリンクには4面リンクがあり、オリンピックレベルの大規模な施設です。安藤美姫、高橋大輔、キャシー・リード&クリス・リードなど国際的な有名選手がトレーニングリンクとして使用していた本格的なスケートリンクでもあります。

 

 

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ロシア人のコーチのアレクセイ・ミーシン(エフゲニー・プルシェンコのコーチ)の門下生からレッスンを受けていたのですが、そのコーチのレッスンはそれまで受けてきたものとは全く違い、腰、背中、肩、首の位置までも直され、本格的な指導をしていただきました。フィギュアスケートを始めたのは2006年からですが、このコーチのおかげで、2008年には競技に出場するようになり、2009年からはスケートショーにも出るようになりました。

 

 

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フィギュアスケートのコーチをはじめられたきっかけは?

 

フィギュアスケートがきっかけで、スケートを通じて知り合う友人が増えていったんですね。そうしているうちに、友人にスケートを個人的に教えるようになりました。その後、ブライアントパークでコーチをしている人と知り合い現在の職場を紹介してもらいました。2013年からですので今年で4シーズン目となります。

 

 

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フィギュアスケートのコーチになるには資格は必要でしょうか?

 

国家資格などライセンスは必要ではありませんが、コーチになるには米国のフィギュアスケートの団体に登録しなければいけません。現在アメリカにはUSFSA(U.S. Figure Skating Association)、ISI(Ice Skating Institute)、PSA(Professional Skaters Association)という3つの団体があります。私はISIとUSFSAに選手として登録し、PSAにコーチとして登録をしています。

 

 


フィギュアスケートのコーチになってどう感じましたか?

 

他のコーチはみなさん小さい頃からフィギュアスケートを始めているので、自分がビギナーの頃に教えてもらったことや、その時の感覚を忘れてしまっているんですね。私の場合、大人になってから始めたので、ビギナーの時に教わったことなどを鮮明に覚えているんです。また、生徒さんの気持ちもとてもよく理解できますし、間違いやすい点などをわかりやすく教えてあげることができるので、スケートを大人になってから始めた自分だからこそ教えられることもあります。また、私は学校で人に教えるという仕事を長く続けてきているので、教師の経験もコーチ業で大いに役立っていると思います。

 

 


生徒さんにはどのように教えていらっしゃるのでしょうか?

 

ビギナーの方には、まずリンクの壁につかまってもらい、氷上での立ち方の基本を覚えていただいています。姿勢をよくしようと背中をそらせてしまう方が多いのですが、まずは前傾姿勢で立っていただくことを体で覚えていただきます。前傾姿勢になることで、転んだ時に頭を打つ確率が低くなります。次に、転び方と起き上がり方を学んでいただきます。まずは、快適に、安全にアイススケートを楽しんでいただくよう必ず覚えていただきたい基本をお教えしています。初めての方でも30分くらい基本を練習していただけば、みなさん滑れるようになります。大人は転んだらどうしようとか、危ないとか、自分にはできないと、頭でブロックしてしまう方が多いのですが、レッスンを経験された方はみなさん、思い違いだったことに気づいていただけます。

 

 

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コーチのやりがいや魅力について教えてください。

 

やはり、教えている生徒さんの成長を見ることがとても嬉しいです。上手に滑れるようになってくると周りから注目されるようになります。ご本人も嬉しいのは当然ですが、喜んでいる生徒さんの表情を見るのも喜びです。また、過去にお教えした生徒さんがまた私のところに戻ってきてくれて、レッスンを続けてくださると大きな手ごたえというか、指導に対する自信が生まれてきます。せっかく色々なイベントが多いニューヨークに住んでいらっしゃるのに、入場料無料のアイススケートを楽しまなければもったいないと思うんですね。一人でも多くの方にスケートの楽しさをお伝えしていければと思っています。

 

 


逆に難しい点などはありますか?

 

フィギュアスケートはリンク以外では練習できないということです。ボール一つあれば練習できるスポーツとは違い、やはり特殊なスポーツの一つだと思います。クラシックバレエや体操をしている生徒さんもいらっしゃいますが、バランス感覚などがよくてもやはり氷上になると違うんですね。フィギュアスケートについては、リンクの上で練習しなければ上達は難しいです。お金もかかりますし、才能を伸ばしていく環境づくりはなかなか大変なものがあるかとは思いますが「好きこそものの上手なれ」。練習量と比例するスポーツなので、好きで続けていれば、才能を持った人を超える上達ぶりが期待できます。

 

 


コーチとして仕事をしていく上で心がけていらっしゃることは?

 

まず、お名前を覚えることを心がけています。生徒さんはもちろんのこと、親御さんがいらっしゃる場合には親御さんの名前も覚えるようしています。そして、レッスンでどのようなことをお教えしたかを記録して、次のレッスンの参考にしています。コーチの中には、レッスンの時間さえ済めばよいと考えている人もいるのですが、レッスンを受けていただく以上、少しでも上達の手助けをしたいと思っています。また、お子さんの親御さんには、レッスンでの様子やお子さんの感想などを必ずご報告するようにしています。また、コーチの仕事に限ってはいませんが、出会った方には必ずE-mail等でフォローアップをさせていただいています。ちょっとしたプラスアルファのことが次のお仕事につながると思うので、どのようなお仕事でも、感謝の気持ちを伝えたり、相手を気遣うようなコミュニケーションは必要だと思います。

 

 


さらにご自身が向上されるためにされていることはありますか?

 

私自身、引き続き三人のコーチの指導を受けています。オリンピックチャンピオンのビクター・ぺトレンコにジャンプを教わり、他の二人のコーチからはフットワークや振付などを指導してもらっています。フィギュアスケートはスポーツなので、常にスケートリンクで練習して体で覚えることが大切です。また持論として「人生は授業の連続で勉強は一生終わるということはない」と思っています。常に勉強を続けていなければ、頭も体もなまってしまいますし、成長もないのではないかと思います。

 

 

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島田さんにとって仕事とは?

 

「仕事はつくりあげていくもの」だと思っています。毎日同じことを繰り返しているのでは充実感をもてませんし、楽しくないのではないかと思います。仕事での充実感が大きければ大きいほど、さらにもっとがんばれるものだと思います。

 

では、どうやって仕事をつくっていくかですが、他の人がすでにやっていることであれば「自分の強みをプラスアルファした仕事をつくるにはどうしたらよいか?」と考えます。これまでの仕事を例にあげてみますと、今年の3月にボストンでフィギュアスケートの世界選手権があったのですが、通訳として仕事をしてみたいと思いUSFSAにコンタクトしました。自分のスケーターおよびコーチとしてのキャリアと通訳の経験を説明したところ、USFSAでも通訳を探しているということがわかり、浅田真央選手や羽生選手の通訳を担当させていただくことになりました。通訳の方は他にもたくさんいらっしゃると思うのですが、フィギュアスケートのキャリアをもっている方はなかなかいらっしゃらないと思うんです。

 

 

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ニューヨークに住んでいるとワールドクラスのスケーターに出会うチャンスも多く、ネットワークを広げ、自分の活動を広げるチャンスにもなります。フィギュアスケートでさらに仕事の幅を広げていきたいと思いますし、スケートに限らず日本とアメリカをつなぐようなビジネスのお仕事もつくっていければと思っています。

 

 


島田さんの今後の抱負や夢は何でしょうか?

 

日本人であること、フィギュアスケーターとしてのキャリア、講師やコーチのキャリア、通訳のキャリアを軸にして、新たな仕事をたくさんつくっていきたいです。自分の希少価値を活かせるようなお仕事。私だからこそできる仕事をつくっていきたいと思っています。近々の抱負としては、フィギュアスケートのサマーキャンプのコーディネーターや、日本から来るスケーターのレッスンのアテンド、日本から進出されてこられる日本の企業さんのお手伝いなど、新しいことにどんどんチャレンジしてみたいと思っています。また、私の生徒さんがフィギュアスケートの競技に出場して、自分がコーチとして参加することも一つの大きな夢です。

 

 

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【取材協力】
フィギュアスケートコーチ
島田美樹
Cell Phone: 917 213 4410 (English & 日本語)
Email: mikichkaskater@gmail.com (English & 日本語)
https://sites.google.com/site/iceskatingwithmiki/

 

Skate School
Winter Village at Bryant Park
917 438 5166
Bank of America Winter Village at Bryant Park
Rink at Bryant Park Winter Village (Oct 29 2016 ~ Mar 5 2017)
http://wintervillage.org/rink/lessons

 


 

【取材・文】
QUICK USA, Inc.
551 Fifth Avenue, Suite 620, New York, NY 10176
菰田久美子
Phone:212-692-0850
Email:quick@919usa.com

 

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